「ウチの子、何もないとこで、よく転ぶのよね…」
「最近、暗い場所だと、なんだか足元がフワフワして…」
そんな悩みありませんか?
バランス感覚は筋肉も大事ですが
身体の“センサー”もとても大事です。
今回は**「安定性(バランス)」**の“仕組み”について知っていただき
バランス感覚を鍛えるエクササイズを紹介いたします。
これは、スポーツを頑張る子どもから、いつまでも自分の足で歩きたいと願うシニアまで、全世代共通の“身体の取り扱い説明書”になります。
身体が安定すれば、心も前向きになります。
「転ぶかも」という不安は、「ふらつく」という身体のSOSから始まっているんです。
バランスを支える「3つの主要センサー」とは?
私たちの脳は、常に3つの主要なセンサーから「今、身体は傾いてないか?」という報告を受けて、姿勢を保っています。
• センサー①:『目』(視覚)
• 「景色が傾いてないか?」「地面は平らか?」と目で見て報告する、頼りになるセンサーです。
• センサー②:『身体(足の裏・筋肉など)』(固有受容感覚)
• 「今、足の裏は地面の“ここ”を踏んでるぞ!」「膝は“これくらい”曲がってるぞ!」と、身体の“状態”を報告するセンサーです。
• センサー③:『耳(奥)』(前庭感覚)
• 「今、頭が“右”に傾いたぞ!」「“急に”動き出したぞ!」と、重力や加速度を感知する、身体の“水平器”のようなセンサーです。
若い頃は、この3つがうまく連携しています。
でも、お子さんは②「身体の感覚」がまだ未発達だったり、歳を重ねると①「目」に頼りすぎて、暗い場所で②と③がサボったりするんです。
だから、**この3つの感覚を、もう一度“育て直す”**ことが必要なのです!
【簡単テスト】あなたの“感覚”、ちゃんと働いてる?
さあ、あなたのセンサーが“どれだけ働いているか”をチェックしてみましょう。(※転ばないように安全な場所・状態で、必ず誰かと一緒にやってください!)
1. 【テスト1:センサー全員集合】
• 普通に片足立ちをします。10秒間、グラつかずに立てますか?
2. 【テスト2:センサー抜き打ち】
• 目をつぶって、片足立ちをします。
• どうですか?さっきより、めちゃくちゃグラグラしませんか?
それは、「目(視覚)」という頼れるセンサーが、急にいなくなったから。
残された「足の裏(②)」と「耳(③)」だけで、必死にバランスを取ろうとしている“証拠”なんです!
“感覚”を育てる!3つの簡単エクササイズ
このテストで「グラグラだ!」と思ったあなたへ。
その“感覚”をトレーニングしていきましょう!
◇エクササイズ①:足の裏を目覚めさせる「タオルギャザー」
まずは「足の裏(固有受容感覚)」の感度を上げるため、足の筋肉に刺激を入れましょう!

[やり方]
1. 椅子に座り、床にタオルを広げる
2. タオルの上に足を乗せて、足の指(グー・パー)の力だけで、タオルを全部手繰り寄せる。

なるべく足の指を大きく動かしましょう!
◇エクササイズ②:センサー同士の連携を鍛える「首振りエクササイズ」
各センサーの協調性を鍛えます。あえて“ふらつく状況”を作って、トレーニングします!

[やり方]
1. 床に「一本の線」があるつもりで、かかととつま先をくっつけるように立つ(つぎ足)。
2. その場で、一点を見つめる。
3. 一点を見つめたまま、頭を**「右・左・上・下」**と、ゆっくり動かす。

手すりをすぐ掴める安全な状態でやりましょう!
◇エクササイズ③:目(視覚)に頼らない「目つぶり片足立ち」
「目(視覚)」に頼りすぎるクセをリセット!「感覚」と「耳」に集中する練習です。

[やり方]
1. 安全な場所を確保する。
2. 目を閉じて、その場で10秒、片足立ち。
3. 慣れてきたら、目を閉じたまま頭を傾けたり、左右を向いてみましょう!

絶対に安全な状態でやりましょう!
「育てる」のは、筋肉だけじゃない
※痛みやしびれが強い場合、ふらつきがひどい場合は、まず専門機関での診断をお勧めいたします。
お疲れ様でした!
「安定性」とは、「強い筋肉」のことだけではありません。
「目」「感覚」「耳」という“3つのセンサー”からの情報を、脳が正しくキャッチして、全身の筋肉に「こう動け!」と命令する、一連の“チームプレー”なんです!
転倒予防や運動能力UPには、まずは「安定性」を鍛えましょう!
あなたの、そして大切なお子さんやご家族の「動ける幸せ」を、心から願っています。


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