「空間認知」子どもの発達・ケガ・スポーツ・日常生活の関係

あそび・子育てパパ日記

■ はじめに

「つまずきやすくてすぐ転んでしまう…」
「ボールとの距離感がうまくつかめない…」
「片付けが全然できない…」

そんなお子さんの姿を見て「うちの子、大丈夫かな?」と感じたことはありませんか?

実はこれ、”センスがない”のでも”不器用”なのでもなく
空間認知という力の”経験が少ない”だけかもしれません。

これらに共通して関わっているのが「空間認知能力」という力です。

聞き慣れない言葉かもしれませんがこれは子どもの日常生活・勉強・スポーツ、そして「ケガをしやすいかどうか」にまで深く関わっている能力です。

この記事では、空間認知能力がどんな力なのか
なぜ大切なのかをわかりやすく解説します。

■ 「空間認知能力」(空間認識)ってなに?

【定義】

物の位置・大小・形・速さ・向き・距離などを素早く、そして正確に把握する力。

また、目の前に物がなくても、頭の中でイメージできる。

【身近な例】

・飛んできたボールの落下地点を予測する
・物を見た時に、違う角度から見た形をイメージできる
・足元を見ていなくても近づいてきた段差をまたげる

■ どんな遊びで、育つの?

次のような遊びが空間認知能力を育むのではないかと考えています。

①上下・左右・前後を感じるあそび(自分の身体の大きさの把握、距離感)
トンネルくぐり、平均台、障害物コース、ジャングルジム、滑り台、段差を上り下り

②立体を感じるあそび(図解の理解、回転イメージ)
積み木、ブロック、折り紙、パズル、磁石ブロック

③ボールあそび(距離感、軌道予測)
ボールキャッチ、的あて、ボール転がし、風船バレー、ドリブル

④鬼ごっこ・追いかけっこ(人との距離感、周囲観察)
鬼ごっこ、しっぽ取りなど

⑤身体が動かすあそび(身体の向き・イメージ、回転感覚、左右認識、前庭感覚など)
バランスブロック、ケンケンパ、ダンス、でんぐり返し、トランポリン、抱っこあそび

⑥地図あそび(方向感覚、空間把握、位置関係)
宝探し、迷路、スタンプラリー

■ スポーツがうまくなる?──空間認知とスポーツの関係

スポーツにおける空間認知は「自分と周囲の状況を瞬時に把握し、適切な判断を下すための重要な力」として活躍すると考えます。

【スポーツ 例】
野球:フライの落下地点を予測してキャッチする
サッカー:味方・相手・ゴールの位置を把握してパスを出す
バスケ:ゴールまでの距離と角度を計算してシュートする
体操:空中での自分の体の位置を把握する

また、スポーツやダンスなど身体を使った活動の経験が豊富な人は、空間認知能力が高い傾向にあり、競技を通して空間認知能力が育まれる可能性があるという研究報告もあります。

Voyer D, Jansen P. Motor expertise and performance in spatial tasks: A meta-analysis. Hum Mov Sci. 2017 Aug;54:110-124. doi: 10.1016/j.humov.2017.04.004. Epub 2017 Apr 22. PMID: 28437638.

つまり、どんどん身体を動かして遊んで、空間認知能力を育てていこう!ということですね。

■ 実は毎日使っている──空間認知と日常生活の関係

空間認知はスポーツだけの話ではありません。

【文字の読み書き】
文字の形・大きさ・向きを正確に認識・再現するには空間認知が必要と考えます。

【片付け】
「どの箱に何が入っていて、どこにしまうか」など空間を意識します。

【移動・地図】
「右・左・まっすぐ」という方向感覚や地図を見て目的地をイメージする。

など日常のあらゆる場面にも関わっているのではないかと感じます。

■ 空間認知とケガの関係

これは、私の見解になりますが、
空間認知能力はケガとも関係があると考えます。

相手や物との距離感が掴めず、ぶつかってしまったり
自分の身体の大きさ・動きが把握できずに思うように身体が動かせない。

などによってケガに繋がってしまうのではないか。

逆に空間認知能力を高めることによって
生活やスポーツにおいて大きな強みになると考えています。

例えば捻挫を繰り返す子は着地の瞬間に足首がどこにあるかを瞬時に把握できれば、ケガを防げたり、

スポーツ中の接触プレーでの打撲も相手との距離感を正確に把握できていれば回避できるケースがあります。

■ 「遊び」に変えるとこんなに楽しくなる!──運動あそび例

【実践例:運動あそび会より】

▶ カラーコーン宝探し
コーンの下に隠したボールを探す遊び。
「見えないものが存在する」というイメージを育てます。

▶ 牛乳パックボーリング
距離感・力の加減・方向を同時に練習できます。

▶ 迷路・かくれんぼ
空間の全体像を頭でイメージする力を育てます。

こどもはたくさんの「あそび」の中で色んな力を育みます

■ まとめ

空間認知能力は「賢さ」や「運動神経」の問題ではなく
「体験の積み重ね」で育てられる力。

日常の遊びの中に空間認知を育てる要素はたくさんあります。

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■ 参考にした文献一覧

・Uttal, D. H., Meadow, N. G., Tipton, E., Hand, L. L., Alden, A. R., Warren, C., & Newcombe, N. S. (2013). The Malleability of Spatial Skills: A Meta-Analysis of Training StudiesPsychological Bulletin, 139(2), 352–402.

・Morawietz C, Muehlbauer T. Effects of Physical Exercise Interventions on Spatial Orientation in Children and Adolescents: A Systematic Scoping Review. Front Sports Act Living. 2021 Jun 17;3:664640. doi: 10.3389/fspor.2021.664640. PMID: 34222859; PMCID: PMC8247469.

・Voyer D, Jansen P. Motor expertise and performance in spatial tasks: A meta-analysis. Hum Mov Sci. 2017 Aug;54:110-124. doi: 10.1016/j.humov.2017.04.004. Epub 2017 Apr 22. PMID: 28437638.

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