はじめに
子供が遊んでいるときやスポーツをしているとき、転んで手をついてしまうことはよくありますよね。
しかし、その後に「痛がっているけど、これは骨折?それとも捻挫?」と悩む親御さんも多いのではないでしょうか?
骨折なのか捻挫なのか、または軽い打撲なのか、早めに判断して適切な対応をすることで、悪化を防ぐことができます。
今回は、子供が手をついて転んだときに親ができる正しい対処法について解説します!
骨折か捻挫か?判断するポイント
骨折か否か?
どういった症状がでるのかを解説いたします。
骨折の可能性が高い症状
- 腫れがすぐに強くなってきた
- 手首や腕の形が明らかにおかしい
- 異常な方向に骨が動く
骨折や捻挫、打撲などにみられるケガの一般的な症状
- 腫れて押すと痛い
- 何もしていなくてもズキズキ痛む
- 内出血(皮膚が紫色になる)がある
- 動かすと痛い
◆より詳しく骨折特有の症状
・異常可動性 … 骨折している所が異常な方向に動く
※手首や指など関節の近くは関節の動きと判別が難しい
・軋轢音 … 異常な方向に骨が動くのに伴い、骨折部が触れ合って音がする
(あつれきおん)※耳で聴こえる音ではなく、感触でかろうじてわかるもの
※骨折の状態によっては軋轢音がないものある
・転位や変形 … 正常な骨の位置が変わり、見た目でも変形している
ケガの状態により症状は変わりますので、異常があれば医療機関受診をオススメします。
親が取るべき応急処置
ケガの初期対応は、症状の悪化を防ぐことができます。
骨折が疑わしい場合の対処をご紹介いたします。
1. まずは安静にする
痛みを我慢して動かしていると、腫れや痛みが増してしまう恐れがあります。
そして骨折している場合は、骨折部にずれが生じたり、ひどくなったりしてしまう危険性もあります。
骨折が疑われる場合は、できるだけ動かさずに病院へ向かいましょう。
三角巾(バスタオルや手ぬぐいでも代用可能)などで腕をつってあげるとより安静にできるかと思いますが、無理はしないようにしましょう。
2. 手を高くする
腫れや内出血を抑えるために、できるだけ 心臓より高い位置に手を上げる ようにしましょう。
3. すぐに病院へ行くべきケース
✅ 強い痛みで動かせない
✅ 変形している、または不自然に腫れている
✅ 指先の感覚が鈍い、しびれている
このような場合は、できるだけ早く整形外科を受診してください。
症状が軽い場合でも、一度医療機関で診てもらうことをオススメします。
ケガを予防するために親ができること
子供が転んだときのケガを防ぐために、日頃から次のことを意識しましょう。
1. 手のつき方を教える
転んだときの受け身の取り方を教えておくと、ケガを予防できます。
特にスポーツをする子供は練習をしておくと安心です。
2. 筋力と柔軟性をつける
手首や腕の筋力が弱いと、転んだときに衝撃を受け止められません。
また、柔軟性がないと関節に負担がかかりやすくなります。
✅ 体幹の安定性や腕や脚の筋力強化
✅ ストレッチで身体を柔らかくする
これらを日常に取り入れると、ケガの予防につながります!
3. 靴選びにも注意!
靴が合っていないと、転びやすくなります。
✅ かかとがしっかり固定されるもの
✅ 靴底が滑りにくいもの
✅ 適切なサイズのもの
を選ぶようにしましょう。
まとめ
✅ 転んで手をついた後、「腫れ」「変形」「強い痛み」がある場合は骨折の可能性が高い
✅ すぐ安静または固定をし、病院へ行く
✅ 普段から筋力や柔軟性をつけることでケガを予防する
子供は元気に遊びながら成長するものですが、ケガを予防するために親ができることもたくさんあります。
万が一ケガをしてしまったときも、落ち着いて適切な対応ができるように、今回の内容をぜひ参考にしてください!
参考文献
公益社団法人 全国柔道整復学校協会・教育支援委員会教科書部会(編).「柔道整復学・理論編 改訂第7版」.南江堂.2022
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