腰椎分離症とは

腰椎分離症(ようついぶんりしょう)は、腰の骨(腰椎)の後ろの部分に骨折が起こる状態のことをいいます。
特に成長期の子どもやスポーツをしている中高生に多くみられるのが特徴といわれています。
腰椎は5つの骨でできていて、その後ろ側の「椎弓(ついきゅう)」と呼ばれる部分に繰り返し負担がかかると、骨にヒビが入り、最終的に完全に分離してしまうことがあります。
腰椎分離症の主な症状(一例)
- 腰の痛み(特にスポーツ中や後に出る)
- 腰を反らしたり、捻ったりすると痛い
- お尻や太ももに痛みや張りが出ることもある
ただし、症状が軽い場合や、分離していても痛みが出ない場合もあります。
腰椎分離症が起こりやすい人
- 中学生〜高校生のスポーツ選手(特に成長期の男子に多い)
- 腰を反らしたり、ひねったりする動作が多い競技
- 野球(ピッチャー、バッター)
- サッカー
- バレーボール
- 体操・新体操
- テニス
- 陸上競技(特に短距離・跳躍)
腰椎分離症は治るの?
✅ 初期なら「治る」可能性が高い
- 初期の段階であれば、安静(運動を控える)+コルセット固定で骨がくっつく可能性がある。
- 早期診断が非常に大事。
⚠️ 進行すれば「治りにくい」
- 骨が完全に分離して時間が経過していると、自然に骨がくっつくことは難しくなる。
- 分離していても痛みが出ない場合もある。
- 症状によっては手術を検討することもある。
まずは専門医によく診てもらうことが重要。
治療の流れ
- 整形外科で診断(レントゲン・CT・MRI)
- 安静+固定(装具、コルセットなど)
- 経過に応じてリハビリ開始
- 体幹トレーニング
- 胸郭や股関節・太もも周りのストレッチ
- 動作の改善指導
- 段階的にスポーツ復帰
まとめ
- 腰椎分離症は成長期のスポーツ選手に多い疲労骨折
- 腰を反らす、捻る動きで腰痛が出やすいのが特徴
- 早期発見なら安静+固定で治る可能性が高い
- 完全に分離しても、痛みがなければスポーツ復帰は可能
参考にした書籍
『腰椎分離症のミカタ』 文光堂
監修:西良浩一
著:酒井紀典
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